貸別荘バケーションレンタル 失敗しない不動産選びと人気施設の開発ポイント

この記事では、貸別荘バケーションレンタルの企画開発について解説します。
前半は立地選定について、失敗しないためのポイントをまとめました。
後半は人気施設となるために必要な企画開発ポイントを整理しています。
それでは、進めて参りましょう。

その地を訪れる理由の有無

ロケーション選定ですが、海や森に囲まれた自然豊かな場所が前提です。
それと共に都心から移動距離が長くなるにつれ、その地に向かう理由が明確でなければなりません。
足を伸ばす理由が明確でない場合、中長期に渡って施設を繁盛させる事が難しくなります。
一方、貸別荘バケーションレンタルの客層は比較的若い世代が多いため、有名観光地が絶対条件でありません。

土地整備費用や関連法規のハードル

用地選定には開発許可申請の有無や、上下水道の引き込みの必要性にも注意しましょう。
広大な土地でロケーションが良いという理由で選定すると、事業用地化のプロセスで想定外の支出が必要になる場合も出て来ます。
用途地域によっては、宿泊業が認められない場所もあるので注意が必要です。
宿泊業の許可が原則下りない用途地域は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、田園住居地域、工業地域、工業専用地域です。
景観条例など建物の色や形状に規制がかけられている場所も注意が必要です。
予定地が農地の場合、転用申請が必要で面積によっては数か月の期間を要する場合もあります。
ゴールデンウィークや夏休みのハイシーズン前に開業を計画している場合、タイミングを逸するリスクがないか事前の調査は必要です。
農業振興地域に設定されている場合は、事業を行うのは、ほぼ不可能です。
仮に農振除外申請が可能としても、許可を得るまでに相当な時間を要します。
余程の理由が無ければ、その土地での事業化は見送った方が良いでしょう。

建物が建てられない場所

不動産業者の土地情報サイトで、極端に安い坪単価で掲載されている土地には理由があります。
安い理由として、市街化調整区域で建物が建築できないケースが最も多いようです。
「市街化調整区域」で開発行為を進めたいとのご相談はよくあります。
市街化調整区域は、市街化(都市化)を抑制する趣旨で設定されていますので、原則、建築の許可が下りません。
行政のインフラ整備を効率的に行うために、都市化を抑制するエリアを決めましょうという都市計画がベースになっています。
他に開発工事や水道引き込み工事の負担が大きい場合、傾斜がきつい土地、接道がとれない土地などがあるので注意したいものです。
道路こう配基準は9%と定められており、開発許可が取れないケースが多いので、急傾斜地を購入する場合は事前に調査をしましょう。
またよくある失敗で、「建築基準法上の道路に接道していない土地」を購入してしまい、建物建築の許可が下りないケースもあります。
見かけ上は接道がとれていても、建築確認をとれない土地もありますので、事業計画を立てる前に確認する必要があります。

中古別荘を活用する時の注意点

用途地域は中古別荘のケースでも注意しましょう。
旅館業が下りない住専地域に建っている別荘はかなり多いので、見落とさないよう気をつけましょう。
間取りによっては旅館業の許可を得るために、かなり大掛かりなリフォーム工事が必要になります。
特に洗面スペースや脱衣室、トイレの数、浄化槽の人槽には注意が必要です。
宿泊定員数に関係することが多く、収支計画に影響を及ぼす事項ですので、物件を決定する前に調査しましょう。
他に別荘地の管理規約において、宿泊業を禁止しているケースも多々あります。
感覚としては、半分くらいの別荘地は宿泊業の運営を禁じています。
こちらも物件購入前に必ず確認しておきましょう。
さらに軽井沢など、民泊を全面的に禁止しているエリアもあります。
別荘の定住者が反対運動を起こすケースも。
中古別荘で事業を行う場合に考えられるリスクは一通り確認しましょう。

旅館業の営業許可がおりないケース

学校や図書館などが多いエリアで文教地区に設定されていると、旅館業許可が下りないケースがあります。
中古別荘などの既存建物を活用する場合、検査済証がない物件は用途変更が困難なケースもあり、スムーズに事業が行えないこともあります。
古い住宅の場合、許可を受けず増築を行っていることもあり、消防上の安全面確保の観点で旅館業許可が下りないこともあります。

がけ地条例にも注意が必要です。
古い物件ですと、条例制定前に建物が建築されたケースも多々あり、解体後は同じ面積の建物を建てることができない土地もあります。
このような場合、購入後の転売はかなり厳しくなりますので、避けた方が良いでしょう。
特に傾斜地が多い伊豆や熱海、淡路島などでは注意が必要です。

ここまで物件選びの注意事項を一通り解説しました。
ここからは事業戦略上のポイントについて解説します。
施設づくりの観点から、事業を成功に導くポイントを整理します。

 

人気の貸別荘バケーションレンタルは建物開口部が広い

貸別荘バケーションレンタル開発において、設計の注意点として開口部をできるだけ多くとりましょう。
可能であれば7m以上の開口が理想的です。
ホームページ画像が見栄えしますし、非日常的な雰囲気を伝えやすくなるため集客力が高まります。
当社では、開口部の確保が難しい、窓が少ない物件やログハウスで宿泊施設を企画することはあまりありません。

浴槽の作り方で冬の集客が変わる

貸別荘バケーションレンタルにおいて、浴槽の形状や色にも注意しましょう。
ジャグジーを採用する事業者を見かけますが、あまりプラスの集客効果はありません。
浴槽全体を石張りにする、浴槽のへりに木を採用するなど、ジャグジーの予算を冬の集客が上がる企画に振り替えてみましょう。
浴槽全体にヒノキを採用すると、変色が早く修繕コストが増加しますので、へりの部分だけにする方が良いです。
ユニットタイプの白いバスタブは、仮に温泉にしても、冬の集客アップにつながりにくいので注意してください。

建物の色使いで集客が変わる

貸別荘バケーションレンタルにおいては、建物全体やサッシの色に注意が必要です。
基本的には、白などの明るい色よりも、黒やダークブラウンの方が稼働率は高くなります。
ハイシーズンである夏の集客は変わりませんが、冬の集客は黒やダークブラウンの色使いが有利になります。

ローコストで出来る定員数を増やす施策

貸別荘バケーションレンタルにおいて、定員数を増加させる工夫をすると売上アップにつながります。
ベッドの台数を増やせれば理想的ですが、建物の面積増加につながり建築費がアップしますので畳コーナーを設けると良いです。
畳コーナーは布団をひいて寝ていただきますので、定員数を増やす施策としてローコストに取り組める有効策です。
また畳コーナーは、ベッドのように転落の危険がありませんので、幼児や赤ちゃんを連れてくる母親にも重宝されます。

プライベートドッグランを検討する

貸別荘バケーションレンタルにおいて、広い庭がある場合はプライベートドッグランにすると集客が改善するケースがあります。
特に関東・関西・東海など、マンション住まいでペットを飼っている世帯が多いエリアは、集客力が飛躍的に向上します。
当社の運営する貸別荘では、1棟で年商4000万円を超える事例もあります。

BBQスペースの防寒・防雨対策

貸別荘バケーションレンタルにおいて、BBQスペースは防寒・防雨対策ができるよう考えましょう。
エリアにもよりますが、BBQはおよそ5月~11月頃まで人気です。
5月、10月、11月は夜間は冷え込む日が多く、寒さ対策や雨対策の出来たスペースを訴求すれば、確実に予約が増えます。
また悪天候時のキャンセルも激減するため、稼働率の向上が見込めます。

駐車スペースは2台以上確保

可能であれば駐車場は2台以上を確保しましょう。
貸別荘の大きなニーズとして、多人数で貸し切れる点があります。
定員が6名以上になると、2家族以上で宿泊されるケースも多くなります。
多人数利用に対応できれば、客室単価も向上しますので、しっかり対応していくことが重要です。

以上、立地選び及び施設開発の注意点を解説させていただきました。
主要ポイントは抑えられていると思いますが、事業をスタートするにあたっては不安な方も多いと思います。
当社では、物件診断や建物図面に関するアドバイスも無償で実施しております。
お気軽にお問合せいただけますと幸いです。

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