貸別荘バケーションレンタル経営と消防法の対応 

貸別荘バケーションレンタルには、旅館業の営業許可の有無にかかわらず、消防法施行令・別表第一5項(イ)に掲げる「旅館、ホテル、宿泊所その他これに類するもの」に求める消防基準が適用されます。
一般の住宅と比べ、より厳しい基準が求められる、貸別荘バケーションレンタルの消防法の対応について、この記事では書いていきます。

貸別荘バケーションレンタル事業を始める場合

旅館業の営業許可の有無にかかわらず、施設は消防法施行令・別表第一5項(イ)の防火対象物となり、自動火災報知設備、誘導灯、消火器といった消防用設備の設置が必要です。

自動火災報知設備

施設の面積にかかわらず、自動火災報知設備の設置が義務付けられます。
ただし以下の場合は、自動火災報知設備に代えて、特定小規模設備用自動火災報知設備を設置することができます。

・建物の延床面積が300㎡未満であること
・建物が特定一階段等防火対象物に該当しないこと

例えば、延床面積300㎡未満の2階建て貸別荘の場合、特定一階段等防火対象物にあたらないため、自動火災報知設備に代えて、特定小規模設備用自動火災報知設備を設置することが可能です。
一方、3階建て貸別荘の場合、屋内階段が1つしかないものは特定一階段等防火対象物となり、自動火災報知設備の設置が必要です。
要は非常時に避難経路が複数確保されている事がポイントのようです。

自動火災報知設備と、特定小規模設備用自動火災報知設備の違いは、ずばりコストです。

誘導灯

誘導灯は避難方向を示す設備で、停電時でも光を発する照明器具です。
一般住宅に誘導灯の設置は不要ですが、貸別荘バケーションレンタルには、建物の各居室に誘導灯の設置が義務付けられています。
ただし、次の2要件を満たす居室の出入り口には、誘導灯の設置が免除されます。

・室内の各部分から、居室の出入り口を容易に見通し、識別することができる
・居室の床面積が100㎡以下である

消火器

一般住宅に消火器の設置は義務付けられていませんが、貸別荘バケーションレンタル施設では、延べ面積が150㎡以上の場合、消火器の設置が義務付けられています。

家主同居型の民泊(届出施設)における緩和措置

先述の通り、旅館業の営業許可の有無にかかわらず、住宅宿泊事業法に基づく届出住宅(年間営業180日以内の民泊施設)であっても、消防法令上は「旅館、ホテル、宿泊所その他これに類するもの」に該当し、原則として旅館やホテルと同じ扱いを受けます。(消防法施行令・別表第一5項イ)
ただし、「家主同居型」の届出住宅のうち、宿泊室の床面積が合計50㎡以下となるものについては、緩和措置が設けられています。

貸別荘バケーションレンタルを始めるには

貸別荘バケーションレンタルを始めるには、旅館業の営業許可が必要です。
営業許可を申請する上では、地域の消防本部と事前協議を行い、設置が必要な消防設備について確認、建物の竣工後に申請を行い、消防法令適合通知書の交付を受ける必要があります。

当社では、豊富な直営実績を基に、貸別荘バケーションレンタルの開業支援を行っています。より詳細な情報が必要とお考えの方は、ぜひお問合せ下さい。

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