貸別荘の開業に本当に役立つコンサルティング会社とは?

この記事では、貸別荘のコンサル業者の選び方について書いています。

いきなり手前味噌な話で恐縮ですが、当社には国内有数の高級貸別荘・高級バケーションレンタルの開発・運営実績があります。
またグループ会社にインターネットメディア運営を行う企業、ウェブマーケティング企業、海外から建築関連資材を輸入する企業、建築施工会社、資金調達・補助金コンサルティング企業等があり、互いに協調して、企画開発から設計施工、運営、集客までクライアント企業を一気通貫で支える体制を構築しています。

私たちが開業コンサルティングに携わらせていただく中で、培った経験やノウハウを基に、コンサルティング会社の正しい選び方についてまとめてみたいと思います。

一気通貫のサポート体制

当社グループは直営・コンサルティングを含めて、全国約100施設を超える貸別荘やバケーションレンタルやグランピングの企画開発に携わってきました。
私共の事業の起源は、2009年にスタートした会員制ヴィラの運営事業にあります。
現在のバケーションレンタルと類似した、ヴィラの企画開発と運営事業を通じて得た知見やノウハウが、貸別荘事業の源泉です。

また2017年当時には国内で珍しいプライベートプール付貸別荘「天然温泉&プライベートSPA 瑠璃浜」を開業、高級バケーションレンタルの原型を世に送り出しました。
その後も10年以上にわたり、「プライベートプール付きヴィラ」「コテージタイプの愛犬同伴型貸別荘」「温泉SPA特化型の貸別荘」など、多彩な事業フォーマットを独自開発、自分達の手でノウハウを積み上げてきました。

当社グループは、日本三景の一つ天橋立で知られる京都府宮津市に本拠を置いています。
都心から3時間、人口3万人の地方都市という情報や提携企業に恵まれない環境下、開発デベロッパー、飲食提供、行政折衝、客室清掃、ウェブマーケティング、メディア向け広報など事業に関わる全ての領域を自分達で研究開発してきました。

苦労は多々ありましたが、この厳しい環境が一気通貫のコンサルティングを可能とした背景であり、今では逆に恵まれていたと考えるようになりました。

多彩な専門分野を持つプロ集団

当社グループのコンサルティング部門には、貸別荘の企画開発を担当するチーム、ウェブマーケティングを担当するチーム、メニュー開発や施設運営を担当するチームの3チームがあります。
メンバーそれぞれが共通した理念や考え方をベースに専門領域を持ちながらクライアント企業のサポートをしています。

経営コンサルタント、ネットワークシステムの技術者、ウェブメディアの編集者、有名旅館の営業責任者、食事メニューの開発に欠かせない料理の専門家など、多彩な経歴を持つ人材がコンサルティング部門に在籍しています。

提携する外部専門家には、ローコスト建築と行政協議に強い一級建築士や、デザイン性の高い店舗設計をしてきた一級建築士、開発協議に強い土木コンサルティング会社等の存在もあります。

このように多くの施設のコンサルティングを手掛けてきた中で、内外のメンバーが一体となって業務に取り組める体制が自然と構築されました。
このような背景があるからこそ、実務的で一気通貫のコンサルティングが可能となっています。

コンサルティングに必要な要素

続いて、貸別荘のコンサルティングに必要な要素について解説します。ここでは「スキル」と「姿勢」に分けて話を進めます。

① 事業に必要な投資と不必要な投資を判断できるか

まずはスキルについて。
貸別荘のコンサルティングで最も大切なことは、投資の要・不要を判断する力に尽きます。
投資の要・不要の判断は経験がものを言います。
宿泊施設に勤務経験があるとか、貸別荘の設計デザイン経験があるとかいう程度では、適格なコンサルティングはできません。

1つの意思決定を、「企画開発」と「購買」「集客」「運営」の各業務の見地から総合的に判断する力量が必要です。
「この投資は○○○万円するけど、集客に役に立つか?」「これを導入するとランニングコストにどの程度影響があるか?」「現場の負担は大丈夫か?人員が過剰にならないか?」これらの問いかけに具体的に回答できるかという総合力です。

初めて貸別荘にチャレンジしようとされる事業者には、不安はつきものです。
不安から、ついつい過剰投資になってしまうケースを目にします。
また会議が盛り上がりすぎて、「あれもこれも導入しよう」というケースもあります。
このようなケースは、知見やノウハウを持つコンサルタントがリーダーシップを発揮、適切なアドバイスや選択肢を提示し、開発を正しい方向にリードすることが求められます。

② 相談者と同じ方向を向いているか

次はコンサルテントの姿勢についてです。
私達は「クライアント企業の投資回収が最も早いと思われる提案」を大切にしています。
投資回収を優先する理由は、昨今のコロナ禍や自然災害のように、環境が激変するリスクが高まっており、安定的に事業を運営できるとは安易に考えられなくなったからです。

プロデュース業者やコンサル業者を名乗る企業の中には、いわゆるFFE(家具など)の販売で利益を得るビジネスモデルを組んでいる企業もあります。
このようなコンサル業者の提案は時に過大投資になりやすく、クライアント企業と相対の関係となってしまう傾向があります。
トレーラーハウスやコンテナハウスを販売する事業者がコンサルティングを行う場合も、どうしても自社商材の建設が最優先となり、競合環境や予算にあわない提案になってしまうケースがあります。

私どものコンサルティングは、早期の投資回収を優先的に考えます。
もちろん、集客や顧客満足が得られるレベルの投資はお願いしますが、過剰投資と感じた内容に対しては、はっきり改善を提言するスタンスです。

逆にお金をかけないケースの失敗として、「閑散期対策に時間もお金もかけない」パターンがあります。
繁忙期は多少の難があっても予約は入ります。
プロジェクト会議の80%は閑散期対策の話をするくらいがちょうど良いです。
夏休み(子供向け)にしか効果を発揮しない投資は、ある意味では無駄遣いの浪費です。
冬場の集客に投資を振り向ける方が効果的ではないかと意見具申できるか否か、コンサルタントの力量が表れる部分です。

コンサルタントの選び方

コンサルティング会社の選び方について注意点です。

① 様々なバックグラウンドを持つコンサル会社

仕事が欲しい設計士、家具を売りたい販売業者、トレーラーハウスやコンテナハウスを納品したいメーカーや代理店、広告の仕事が欲しい広告代理店など、様々なバックグラウンドを持ったコンサル会社があります。

中には、良心的なコンサルティング会社もありますが、多くの業者は目的が別の所(販売成果)にあり、実力的に不安がぬぐえないのが正直なところです。
お話を進められる場合は、十分、確認してください。

② 現場を知らない某コンサル会社の弊害

最近、某コンサル会社が貸別荘ビジネスのウェブセミナーを頻繁に行っています。
この会社は「スモールラグジュアリーリゾート」を開発した経験はありません。
当社を含む有力事業者を模倣の上、コンサル業務の受注を目論んでいます。
運営の裏側や建設コストを把握しないままクライアントに提案していると考えられ、コンサルティングを依頼する先としては大いに不安が残ります。
また、開業後に広告宣伝費をコンサルティング費と別に支払う必要があることも、経営的には大きな負担となります。

③ 「士業」はコンサルタントになれるか?

行政書士事務所が旅館業許可の代行申請業務を受注するため、コンサルティングを行うケースもあります。
彼らは申請業務のプロだとしても、施設の運営オペレーションや集客は専門外です。
専門ノウハウのあるコンサルティング会社を探す方が無難と考えます。

また昨今は事業再構築補助金の支援に取り組む行政書士や税理士が増えています。
行政書士や税理士の先生は、あくまで行政手続き、税金の専門家であり、貸別荘経営の専門家でありませんので、よく吟味いただければと思います。

④ 設計士がコンサルティングを行うケース

リノベーションが得意な設計事務所がコンサルティングを行うケースもあります。
建築の専門家ですので、内装や格好の良い外観の提案が可能であり、その点は魅力です。
ただ、貸別荘事業の成功に占める要素として、「建築デザイン」は一部にすぎません。

食事メニュー、風呂、ネーミング、コンセプトなどを含めたオフシーズン対策とマーケティング施策こそが業績を左右します。
そのような意味で成功した貸別荘の事例を設計士から実績として紹介されても、それは施設を運営する事業者の努力による部分が大きいかもしれません。

なんでも疑ってかかるのが良いというわけではありませんが、事業成功に必要な要素を明確にしたうえで、その全てをカバーできるコンサルティング会社かを見極めることがとても重要です。

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